ユーザー設定の誤差範囲
ユーザー設定でのExcelの誤差棒の付け方は忘れがちなのでメモ
筆者が使用しているExcelのバージョンはWindows版2016である。
Excelにおける散布図の作り方
- まず以下図のようなデータがあると仮定し、図の上の表の平均値をX軸、下の表の平均値をY軸に振った散布図を作る場合とする
今回作成したデータはノギスとマイクロメータで1から10mmの厚さの試験体を6回ずつ計測したと仮定したデータである(randbetween関数でテキトーに生成した) - 次にリボン(上にあるメニューバー的なやつ)にある「挿入」→「グラフ」→「散布図」を選択して挿入をする
- 入ってるデータが滅茶苦茶ではあるが散布図が挿入されている
- 図中赤で囲ってある部分のデータの選択を押す
- データソースを選択できるので必要なデータ以外を消す
以下データソースを選択して適切なものを残した結果
とりあえずここまでのプロセスで必要な散布図が出来た。
誤差範囲のユーザー設定
- 下図では2箇所赤線で囲ってあるがどちらでも良いのでクリックする
- クリックすると誤差範囲の書式設定が出るので下側にある誤差範囲のラジオボタンで「ユーザー設定」をクリック→「値の指定」を選択する
↑クリック前
↓クリック後
- 今回は標準誤差()をエラーバーに付けたいので予め計算しておいた標準誤差を入れる
- X軸の誤差範囲を設定したので、次にY軸の誤差範囲を設定する
誤差範囲のオプションの右側にある🔽マークを押すと「系列名 Y 誤差範囲」が出てくるので適当なものを選択し、X軸と同様に設定する。
- 誤差少ないから見えないけど完成!
X,Yどちらかの誤差棒を消したい場合
この場合だと「Y 誤差範囲」が選択されているのでこの状態で「delete」キーを押すとY軸に対して垂直な誤差棒を消すことが出来る。また、「X 誤差範囲」を選択すればX軸に対して垂直な誤差棒を消すことが可能。
誤差について気になったこと
大学1年生の時分にノギスやマイクロメータで測定した実験データの処理をする上で習った標準誤差(standard error)に関して思い出さなければならない事案があったため、備忘録としてここに記す。
また、書いている本人は統計に関しては素人である。
JIS-Z8101でググると大体出てくる。
統計の数値の定義
備忘録代わりにおいておく。
名称 | 式 | Excelでの関数 |
---|---|---|
平均 | average | |
偏差平方和 | devsq | |
母分散 | var.p | |
標本分散 | var.s | |
母集団標準偏差 | stdev.p | |
標本標準偏差 | stdev.s |
これらの数値は関数電卓の統計モードを使えば容易に出すことが出来る上、上記のExcelの関数を用いればさらに簡単に求めることが出来る。
標準偏差の意味
標準偏差の意味するところはデータのバラつき具合を示す数値であることである。ということは例えばノギスで5回板の厚みを測定するといった実験をした場合、測定値から出す標準偏差の意味は この測定結果のばらつき度合い、測定方法に関する誤差を見積もることが出来るということである。
標準誤差について
ただし今回欲しいデータはその平均値が持つ誤差である。それは一般的に標準誤差(standard error)と呼ばれるものである。JIS規格Z8101-1によると
標本平均の標準誤差は
標準誤差の推定量は
として表されるものらしい。
問題はどちらを採用すれば良いかであるが、が十分に多い場合であればほぼイコールになるので計算プロセスが明らかであればどちらを採用しても問題無いハズ・・・
しかしノギスで5回測定した場合の平均値など、母集団の平均値が直接求まらない場合では標準誤差の推定量として下の方の計算式で出すのが妥当と考えられる。